副島隆彦氏の『絶望の金融市場 株よりも債券崩れが怖ろしい』(徳間書店)より

北見昌朗は『日本は80年周期で破滅する』(2011年 講談社)という本を著しています。

それとまったく同じような見解があります。副島隆彦氏の『絶望の金融市場 株よりも債券崩れが怖ろしい』(徳間書店)です。2019年4月30日発売。

本の要旨です。

「今の世界の金融・経済は、アメリカのトランプ大統領の決断で動いている。彼がズルズルと引きづり回している。年明けにトランプが、FRB(アメリカ中央銀行)のパウエル議長を脅し上げて政策金利(短期金利)の利上げを止めさせた。(1月30日)。この日からすべてがガラリと変わった」

「『ジャブジャブ・マネー』という言葉は、私、副島隆彦が作ったコトバだ。トランプの本音は『突っ込めー。このまま、このまま行くしかないのだ。ジャブジャブ・マネーのまま、突っ走ってやる。金利を上げるな。いや、下げろ。FRBは量的緩和(ジャブジャブ・マネー)を再開せよ。紙幣を大量に刷って政府に渡せ。財務省はそれがないと予算を組めないんだ』ということだ」

「アメリカ政府の債務は、債務上限22兆円を超えた。アメリカ国債がデフォルトしそうだ。トランプは『オレは、こんなもの怖くないぞ。オレは大借金に慣れている』と思っている。

「本当に危険なのはトランプの任期が終わる2024年。ここで世界は大恐慌に突入するだろう。1945年のwwⅡの終戦から数えて、80年目である。人類(人間)の歴史は80年周期で回っている。その時は、米、欧、日の主要先進国の、一斉での、国家財政破綻が起きる。ヨーロッパ崩れが少しだけ先かもしれない。それを原因にして、世界大恐慌突入、そして主要各国政府は、財政破綻に突入するだろう。その主要な原因は、あまりにも貨幣と国債と政府担保債権類を大量に(それこそ膨大な量で)発行してきたからである。これらがボロくずに債になる」

「フラッシュクラッシュとは、突然、株式や債券の相場が急落することだ。超高速で巨大な取引をするロボット・マシーン取引が広まったことも背景にある。金融市場は、超高速ロボット取引が再び引き起こすであろうフラッシュ・クラッシュ(瞬間的な大暴落)に怯えている」

「米ドルの信用力が落ちてきた。『ドル札なんか持っていても、値下がり(目減り)して損するだけだ』と分かったら、別の実物に換えるようになる。その時が『ドル体制の終わり』である。

「今度起きる(おそらく2024年に)大恐慌は債券市場から起きる。そして『債券バブル崩れ→株崩れ→国家財政の危機→財政崩壊(フィナンシャル・カタストロフィー)→大恐慌』を辿る」

「本当に危険なのは、トランプの任期が終わる2024年。そして、2025、2026年は世界が大恐慌に陥る。大恐慌か、大戦争である。2027年にドル世界体制が崩壊する」

「アメリカは、ゆくゆく、3つの国に国家分裂する。その時は、これまで隠してある大借金(日本からの1200兆円とか)は返さない。チャラにする。どこも借金(負債)を引き継がない。その時は、1ドル20円、10円になっていて、それでチャラになる」

「あのソビエト連邦が1991年12月に解体、消滅した時に、4分裂した。だからアメリカも3分裂する」

「ロシアはアメリカ国債を売却して、金を買い増しした。買える今のうちに金を買い増そう。財産を何とか実物資産に変えて避難させるべきだ」

これから数年以内に起こりえること

  • 米中が覇権を争って激突する。
  • 米国政府の債務が膨れ上がっているので、ドルの暴落があり得る。
  • 米国の国債を大量の持つ日本は、それが無価値になると、地獄の道連れ。
  • 日本の円も、同時に暴落へ。
  • 世界は大恐慌へ。
  • ハイパーインフレになり、年金生活者は生活苦へ。
  • 東海大震災もありえる。
  • 2024年、トランプの任期が終わる。その頃が危ない。

大混乱の末に、中国がいち早く立ち直り、世界の覇権を握る。

いやはや、ゾッとすることばかりです。当たらないことを望みますが、もはや避けられないと思います。