<第105回> 城下町らしい三の丸に 提言まとめる

<第105回>
令和3年6月19日(土)
18:00より
※時間が17:30に変更になりました

テーマ:城下町らしい三の丸に 提言まとめる

講師: 服部敦氏(中部大学教授)

以下は、中日新聞(2021年1月8日)

「城下町らしい三の丸に」 名古屋のルネサンス期成会が提言書公表
名古屋市中区丸の内地区の官庁街「三の丸地区」の再整備を促す民間組織「名古屋三の丸ルネサンス期成会」が七日立ち上がり、地権者である国、県、市に向けた提言書を公表した。「官庁街の建て替え時期である今を逃したら、今後五十年は何も変わらない」との危機感を抱く期成会メンバーは、無機質な官庁街を人でにぎわう街へと変貌させる将来図を描く。(水越直哉)
「三の丸は行政関係者の往来はあるが、一般市民が足を運ぶ機会はほとんどない。官庁の建て替えに当たって、城下町をほうふつとさせるような取り組みをお願いしたい」。市内で同日会見した期成会幹事の加藤義人・岐阜大客員教授は、再整備の意義を語った。
提言書は三の丸地区について、南北にあり人が多く集まる栄地区と名城地区を結ぶ地域となる必要性を指摘。東京一極集中を是正する役割や、江戸時代の城下町を再生する位置付けも提起する。
具体的な提言としては、老朽化が進む一帯の建物の建て替えを連鎖的に進めて機能を集約し、国重要文化財である県庁本庁舎、市役所本庁舎などを文化発信、交流機能の中心施設として活用することを求める。
一例として県庁を迎賓ホテルに、市役所を博物館に転用することを挙げる。期成会幹事の服部敦・中部大教授は「海外は歴史を大事にする人たちを尊敬する傾向が強く、国際的な尊敬を集める。歴史的な建物を活用することで名古屋の存在感も高まる」と指摘する。
名古屋城から三の丸地区を縦断して栄地区へとつながり、江戸時代には豪華な「名古屋三大祭」が催されていたという本町通りについては、当時のにぎわいを再現するような「祭り広場」や展示施設をつくることを提案。通りに面した建物の一階部分には商業施設を入れることも視野に入れる。
また有事の際に、首都機能を代替する地区として三の丸を整備することも要望。東京で災害が起こった場合などに、国、県、市が一体的に対応できる防災センターの整備も求めている。
期成会は近く、提言書を国、県、市に提出し、具体的な動きを促していく。会には行政メンバーは参加していないが、関係者によると、国、県、市はすでに提言書の方向性について賛同しているという。
再整備の時期的な見通しについて加藤教授は「三十~五十年は必要だ」との考えを示す。その上で「ハードルは高いが、地権者は国、県、市の三者しかいない。三者が肩を組んで検討する態勢ができれば実現できる。提言を、そうした機運を高める一助としたい」と期待を込めた。


提言書について説明する期成会の加藤・岐阜大客員教授(右)、
服部・中部大教授(右から2人目)ら=名古屋市内で

レジュメがダウンロード可能になっています。中部大学の服部敦先生のサイト。

例会当日のレジュメダウンロード

会場: 料亭つたも