料亭つたも主人・深田正雄の住吉の語り部となりたい

第72回(2017.3.23)

栄ミナミ早咲き桜まつりとシネマキャラバン

栄ミナミ早咲き桜まつり2017 パンフレット
桜まつりパンフレット:主催:栄ミナミ早咲き桜まつり実行委員会
代表:山眞産業(株)平出眞社長

栄ミナミでは、「栄ミナミ桜を育てる会」(米田行孝会長)がリードして一昨年から早咲き桜を植え、今月で117本植樹しております。将来は名古屋駅まで三蔵通り沿いを桜並木でつなぐ構想で、新しい桜の名所を目指して活動しています。

今年3月10日より、桜もち誕生300周年祭を記念して、「栄ミナミ早咲き桜まつり」を実施しました。11日には名古屋生菓子組合青年会が2000個の桜餅をナディアパークで無料配布するなど、楽しいイベントが28日まで開催されました。グランプリ大会では、栄地区31のレストランが「桜メニュー」を、市内50店舗の菓子店が「桜デザート」を提供し、大いに盛り上がりました。

この企画は、桜関連の食材を扱う商社、山眞産業(株)平出眞代表が1月に提案され、準備期間もなく、苦慮しました。しかし、私たちのポリシー「何でもやってみよう」のチャレンジ精神で支援、日本さくらの女王や大村知事、河村市長にも登場いただき、素晴らしい話題作りができたと感謝しております。来年以降も継続して、地域の催事として根付くことを祈念しております。

ナディアパークイベントで日本さくらの女王と河村たかし市長
ナディアパークイベントで日本さくらの女王と河村たかし市長
名古屋生菓子組合青年会の主催で桜餅2000個配布、平安桜のライブも大好評

地域活性化のためにイベントを毎年継続開催し、定例化して「街づくり催事」として、定着させることには、地元の理解、採算性、ボランティア、スポンサー、公的機関の協力など多くの課題をクリアしていかなければなりません。お陰で栄ミナミでは音楽祭・ど真ん中まつり、歩行者天国などが定着したイベントとして毎年リピートし、観光事業化となりつつあります。

しかしながら、アイデアは素晴らしいものの、諸般の事情で継続できなくなった催事も多くあります。ここに、将来の再開を楽しみに、「シネマキャラバンプロジェクト」を紹介したく思います。

東北大震災の影響もあり、矢場公園の屋外スケートリンクNAGORINが開催できなくなり、2012年9月頃に何か冬にイベント開催を検討していました。ちょうど湘南の若い女の子・料理研究家「河田真知子」さんからの要請で、突如オシャレな栄ミナミ・矢場公園にて食と映画のイベントを開催したいとの意向にビックリ!! 関東のナウいファッション界の若手から、栄ミナミでどうしてもとの要望に嬉しいやら、当惑するやら。地元は10月開催の第2回グルメグランプリ“NAGO-1”準備で大わらわ・・・。シネマ企画への対応がまったくできない状況でした。

中日新聞パブリシティ
中日新聞パブリシティ 2012年11月1日朝刊 実行委員長・河田真知子さんインタビューと企画紹介
画像クリックで拡大版をご覧いただけます。

「協力・栄ミナミ地域活性化協議会」とは名ばかりで、資金面や運営面では十分な支援もできませんでしたが、湘南の若手数名が来名して大奮闘、ビッグイベントを実現されました。11月3~4日の週末、矢場公園では屋外映画をシネマキャラバンのお洒落な上映会として開催。寒いなかにもかかわらず初日は1500名、2日目は3000名もの粋な若者たちで賑わいました。実は、この公園での映画会はおよそ50年ぶりのことで、伊勢湾台風前には昼は「紙芝居」や屋台・仮設市場、そして夜には町内会主催の屋外映画が開催されていました。私もそろばん塾(東海算盤)の帰りにアイスキャンディを舐めながら、友達と遊んだ思い出のパークでした。

シネマキャラバン・矢場公園でのオシャレなフードテント、素晴らしい照明
シネマキャラバン・矢場公園でのオシャレなフードテント、素晴らしい照明

「Play with the Earth」をテーマに、湘南を拠点に地球の様々な場所に行き、 そこに暮らす人々との交流からアイデアや価値観を共有し、その想いを未来に繋げていく移動式映画館「シネマキャラバン」。都会のオアシス・矢場公園が、2日間だけ非日常的な空間となり、視覚にも味覚にも美味しいイベントとなりました。

矢場公園での上映会
矢場公園での上映会:全国から粋な若者大集合、50年ぶりの屋外映画

食では、湘南・葉山在住の料理研究家、有本くるみ氏が東海地方の食材をふんだんに使い、食のカルチャーエクスチェンジに挑戦。また東海の飲食ブースも多数出店。映画は、ロードムービーの名作「バグダッド・カフェ」や、伝説的アーティスト、ボブ・マーリーのドキュメンタリー「ボブ・マーリー / ルーツ・オブ・レジェンド」を野外上映。公園でカッコいい帆布のシートに腰をおろし、ホットワインを飲みながら、毛布にくるまり仲間と鑑賞したバグダットカフェは素晴らしい思い出となっています。

翌年、2013年11月2~3日、第2回シネマキャラバン開催に協力、矢場公園でお洒落な屋外映画上映、そして屋台テントで各地からのゲストを「おもてなし」いたしました。

かつては暗い場末のイメージだった矢場町界隈が、このころより、わが国でもオシャレな栄ミナミとして脚光を浴びるようになりました。

しかしながら、2014年には資金面の手当てがつかなかったようで、河田さんから再開の要請がなくなり、とても寂しく思っています。戦後まもなく、栄といえば映画街で賑わった街。なんとかシネマキャラバンさんの復活を鶴首待望する次第です。